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リヨンレポート

 

リヨン留学3 湯本 宏香様

 

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アリアンス・フランセーズのクラスメイトと

ガレット屋さんへ

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アリアンス・フランセーズのクラスメイトと

ピクニックへ

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夏期講座のクラスメイト。

ほとんどがアジア人。

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ブションへクラスメイトと

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モナコというお酒で乾杯!
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リヨンのブションへクラスメイトと

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音楽の日にはアリアンス・フランセーズで

コンサート

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アリアンス・フランセーズで先生と再会!
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夏期講座のクラスメイト

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リヨン・カトリック大学の新校舎
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ヨン・カトリック大学後期のBIのクラスメイトで放課後にバーへ

私は二つの学校でフランス語を学びました。語学学校の「アリアンス・フランセーズ・リヨン」と「リヨン・カトリック大学」の留学生コースです。どちらも同じ教科書を使って授業を進めましたが、担当教師やクラスメイトとの相性によって、学校生活に対する充実感は変わると感じました。


<アリアンス・フランセーズ・リヨンでの勉強>

この学校には、様々な年齢層と国籍の学生が勉強していました。主婦の方や仕事をしながら通う会社員、フランスでの大学への進学を考えている学生などです。私のように短期間だけの学生もいました。学生の国籍は春にはアジア人が少なく、夏休みが近づくにつれて韓国人や日本人が増えてきました。全体的にはスペインやコロンビア、ベネズエラ、メキシコなどのヒスパニック系の学生が多くいました。4月初めの頃は、日本人の主婦の方と同じクラスだったので、リヨンでの生活のアドバイスをいただくことが出来ました。その他、台湾などのアジア人のクラスメイトたちとは、どこのアジアマーケットがオススメなのかといったアジア人の中での情報交換で盛り上がりました。やはりお米や調味料が恋しくなるのは、アジア人ならではと思いました。学校から徒歩圏内にアジアマーケットがあるので、よくアジア人主婦に混ざって買い物に行きました。同年代の学生とは放課後に学校のロビーや川辺でおしゃべりを楽しみました。なかでも、4月からクラスメイトの韓国人の同い年の女の子とは、以前からの友達であるかのようにすぐに打ち解けて、学校の休日には、韓国料理を食べに行ったり、アヌシーとスイスに旅行へ行ったりしました。初めの頃は、お互い片言のフランス語でのコミュニケーションが難しくて英語を交えて会話をしていたのですが、授業を重ねるごとにお互いフランス語を使うようになりました。彼女のおかげでフランス語のモチベーションも上がったと思います。

夏が近づくと1か月だけの短期留学生が一気に増えました。日本人の知り合いも何人か増え、リヨンを案内してあげるうちに次第に一緒にいることが多くなり、彼らが帰国した後も連絡取り合うほどの仲になりました。留学先で知り合った人々は、同じような大変さや楽しさを味わっているので、相談もしやすく貴重な存在です。留学において同じ国籍の人とは一緒にいない方がいいという意見もありますが、同郷であるメリットもあると思いました。それでも日本人だけでいるわけではなく、ほかにもいろんな国籍のクラスメイトやその友達も呼んで、レストランやサッカーの試合や、花火大会に行きました。私たち日本人主催で和食レストランへ連れていった際には、唐揚げや枝豆などの居酒屋の定番メニューを食べてもらい、韓国人と一緒に箸の持ち方を教えました。個人的には、中国と韓国と日本での箸の種類が違うことを知り驚きました。日本にいた頃は、和食をはじめアジアの料理にあまり興味がなかったので、アジア人以外の人に質問されることによって自国文化を見つめ直すことができてよかったと思います。ブラジル人にはブラジル人が経営するレストランへ連れていってもらい、初めてブラジル料理に触れました。やはりフランス語で自国料理を説明するのは難しいのですが、四苦八苦しながらも料理を通して異文化交流が出来たと思います。これは様々な国籍の学生が集まる学校だからこそ出来る経験でした。

 

先生とクラスメイトに恵まれた留学生活
クラスメイトとの関係が良好だと、授業はより楽しく感じます。特に、私にとって最後の月は担任教師がとても良い先生で、このまま学校を続けたいとまで思っていました。教科書に沿って授業は行うのですが、それとは別に先生オリジナルの分かりやすい文法のプリントが用意されたり、ややこしい文法の回にはフランス語の勉強がより楽しくなるようにシャンソンの歌詞が配られ歌ってみたり、映画を見たりしました。先生は飽きないように楽しく、難しい分野の単元では丁寧に授業を進めてくださり、復習もしやすい授業でした。また、祝日や行事がある際には、その歴史や変遷を雑学的に授業に盛り込んで、リヨンでの生活に役立つ情報を得ることが出来ました。雑学的なフランス語以外には、時事問題に触れることもありました。主婦の方たちはテレビのニュースや新聞を使ってフランス語を勉強していて、その中で出てくるメディア表現についても先生に質問をすると、解説してくださいました。このようにどんなことでも丁寧に教えてもらえて、とても良い環境でした。授業時間を超えて休み時間まで討論をすることもありました。それが苦にならず、眠くもならず、生き生きと発言をしていたので、先生から「君は日本人ぽくないね」と言われたこともありました。おそらく、日本人は授業中に受身でいることが習慣となっているからでしょう。おしゃべりと思われるほどフランス語を話す力がついてきたことも、学校が楽しいと思う理由の一つでした。毎日復習のための宿題は出ていましたが、たまにスピーチ原稿を書く宿題がありました。クラスでは、週明けやバカンス明けには、どのような休日や休暇を過ごしたかについての発表があり、質疑応答の時間があったため、毎週スピーチの内容を考え、質問の答えを用意しておくことが少し大変な宿題でしたが、発音と文法をチェックしてもらえる良い機会でした。

 

母校のような存在となった「アリアンス・フランセーズ・リヨン」
アリアンス・フランセーズ・リヨンでは、授業以外にオプションで会話の授業やイベントがあります。会話の授業も先生によって内容が違うようです。私は受講しなかったのですが、簡単なゲームを通して表現の仕方を学ぶことができたのが良かったという意見や、毎回先生が異なることもあり、自己紹介で時間を使ってしまうなど賛否両論でした。しかし、クラスメイト以外の知り合いが出来ることや会話力、コミュニケーション力がつくと思うので、通常の授業が物足りない人や、より多くフランス語を学ぶ機会を増やしたいという人にはオススメだと思います。また、映画上映会やBBQなどのイベントが中庭で行われたりします。中でも、6月にあった音楽の日には、演奏したい人が集まって観客の前で発表したり、観客はみんなでカラオケをしたり、夜遅くまでとても盛り上がりました。有名な曲ばかりだったので音楽に疎い私でも楽しめました。そしてカラオケ大会では、日本人は誰でも歌うのが好きだと思われている節がありました。イベントに関しては、学校が修了した後も先生や友達に再会するために参加したこともありました。私にとってアリアンス・フランセーズ・リヨンは、母校のような存在になりました。

 

<リヨン・カトリック大学の夏期講座>

リヨン・カトリック大学の夏期講座は、ひと月単位でテストとクラス替えがあるので、ここで頑張れば早めにレベルアップが期待できると思います。この時期は、日本と香港の学校協定で来ている団体の留学生が多く在籍していました。そのため、定員20人のクラスのほぼ大半がアジア人となるクラスもありました。私のクラスもほぼアジア人でした。そして香港の留学生の中には日本語が良く出来る人が多く、フランス語より日本語で話す機会が増えました。それとともに、日本語を教える機会が増えました。そして、ある香港の友達の紹介で、語学カフェに通い始めたのがこの頃です。夏期講座では留学生がつまずきやすい単元を細かく学ぶ授業内容でしたが、私はアリアンス・フランセーズ・リヨンで勉強済みだったため、内容が重複し、少し物足りなく感じていました。そのため、語学カフェでフランス人と出会い、会話力アップに力を入れ始めました。その語学カフェは曜日毎に言語が分かれていて、私は日本語の曜日に行き日本に興味があるフランス人との交流を始めました。リヨンでは思った以上に日本語を勉強しているフランス人がいました。その語学カフェに集まる世代も様々で、多くのフランス人と出会うきっかけになりました。その中には、リヨンの大学生で日本へ留学したことのある人もおり、東京の話で盛り上がったり、来年留学が決まっている人とも知り合いになり、私が帰国したら是非会いましょうと約束した人もいました。彼らとは語学カフェの時以外にも連絡を取り合い、ご飯を食べに行ったり、地元の人がいないと入りづらいバーなどに連れて行ってもらいました。会話はフランス語と日本語が混ざっていて、お互いのレベルアップに繋がったと思います。私が宿題に困っていたり、テストが近くなると、彼らはしっかりと教えてくれました。

 

留学の成果が出始めたことを実感
ステイ先を出てから、日常的にフランス語で会話をすることが少なくなる傾向にあったので、フランス人と遊びに行くことで、リスニング力と会話力がだんだんついてきたと思います。その結果、10月開始の後期クラスは一つレベルアップすることが出来ました。私の手ごたえとしては、クラス分けテストで面接がうまくいったからだと思います。4月の渡仏直後はほとんど聞き取れなかったので、半年経って留学の成果が出始めたことを実感しました。しかし、そこで私は少し満足してしまい、今までやっていた自習を疎かにしてしまうようになりました。授業で日本の伝統行事について、PowerPointを使ってプレゼンテーションをするという課題が出て、ちょうど11月だったので「七五三」をテーマに選びました。まず、七五三について説明ができるほどの知識がなかったので、インターネットで調べることから始めました。調べていくうちに、七五三以外にも日本の伝統文化に興味が湧いてきて、一時期、授業とは関係なく日本について調べていました。

日本語を学ぶ外国の友達からは、日本語のニュアンスの違いやマンガなどに登場する決め台詞や慣用表現など、普段私たち日本人が何気なく使っていて、説明するのが難しい日本語に関する質問も増えてきて、フランス語を勉強するよりも日本語を教えることに精を出していました。私は、日本の大学で日本語教員の資格をとるための勉強もしていたので、良い経験にはなったのですが、結果的にはフランス語の勉強が疎かになってしまいました。特に、文法の復習を怠って、教科書も少しレベルアップしたので、長文読解に慣れず授業ではわからないことがあり、ついていけなくなっていた頃もありました。リスニング力はアップしていたので、先生の言っていることは理解できても発言ができなかったり、教科書の問題についていけなくなってしまったのが不覚でした。確実に身に着けていない語学は少しでもそこから離れてしまうと、すぐにわからなくなってしまうと改めて感じました。そのため、クリスマスバカンスで海外旅行を1週間ほどしていた際は、英語とフランス語をそれぞれの場面で切り替えていくことが難しかったです。英語を使うのはリヨンの生活ではほとんどなく旅行の時だけですが、1週間ほど英語を使っていると、私にとっては英語のほうが使いやすいので口が慣れてしまい、フランスに帰国した時にはちょっとしたフランス語が出てこなくなるということもありました。

クリスマスバカンス後は、すぐに試験対策の授業になりました。二日間で口頭と筆記のテストが行われます。口頭試験では、絵を見てその状況をイメージしてストーリーを発表するものと、短いセンテンスを読んで例題を作るものと二種類あります。一度選択してしまうと変更することが出来ないので、自分が話しやすいものを引き当てるかは運だと思います。しかし、それまでの授業でしっかりと対策をしますし、プレゼンテーションでの表現の仕方など練習をするのであまり不安はないと思います。筆記試験も授業でしっかりと対策は出来ます。日本での試験や英語の試験と比べて、フランス語の試験の特徴は記述が多いことです。リスニング問題でも選択形式ではなく、キーワードとなる単語を聞かれたり、選択形式の読解問題でも、その解答を選んだ理由を記述するものもあります。基本的にはDELFのような試験内容なので、授業中の対策だけで物足りない人はDELFの勉強もすると補えると思います。

 

2つの学校で学んで
私は、アリアンス・フランセーズ・リヨンでの学校生活のほうが充実していて楽しく勉強が出来たと思います。上記にも書きましたが、アリアンス・フランセーズでは先生とクラスメイトに恵まれたからです。リヨン・カトリック大学では、週4回の授業で曜日ごとに担当の先生が3人いました。そのため先生とはあまり親密になれなかったと思っています。クラスメイトはアジア人とヒスパニック系が大半を占めており、大きく二つに分かれてしまっていました。授業中のグループワークで交流はあるのですが、休み時間や放課後にみんなでしゃべって楽しむというようなことはありませんでした。しかし、最後の授業が近づくにつれて、遅かったけれども徐々に仲が深まり、同じクラスになったという記念にみんなでバーに行ったのが良い思い出になりました。私は次の学期は受けずに帰国しますが、残ったクラスメイトはこの先もっと親しくなるのではと思います。私の印象では、授業内容に関しては、リヨン・カトリック大学は期末試験対策がメインで授業をしている雰囲気がありました。授業内であまり雑学的なフランス語や文化に触れる機会がなかったと思います。ストイックに集中してフランス語を身に着けたい人は大学での授業がオススメで、試験に追われず比較的ゆったりといろいろな場面でのフランス語を身に着けたい人は、語学学校が良いのではないかと思います。