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エクサンプロヴァンスレポート2

 

レポート2回目の今回はクリスマスの過ごし方。フランスではもちろんクリスマスは国民的行事。私の滞在するエクサンプロヴァンスではクリスマスに向けて準備を始めるのはなんと11月初め。クールミラボーという町のメイン通りを始め、町の至る所にイルミネーションが。

 

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町のシンボルでもある大噴水 広場


「もうクリスマスかぁ、早いなぁ。」と、感慨深くなっている間もなく数日後には木で作った小さい白い小屋がたくさん建ちます。この小屋は一軒一軒がお店になります。日本の出店のようなもの、いわゆるクリスマス市です。このお店、それぞれがとてもバラエティに富んでいて、日本でも定番のチュロス、ホットワインやワッフルなど食べ物の他にも、くまのぬいぐるみばかりを売っているお店、プロヴァンスの石鹸、お菓子、オリーブオイルなどのご当地もののお店、手作りのインテリアのお店、マジックを見せるお店まであります。見ているだけでもとても楽しくなります。

 

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定番のチュロスのお店 白い屋根の可愛いお店

 

 

 

お店の前にいるおどるサンタ

 

 

 

 

 

 

 

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風船屋さん。ジャンルを超えたキャラクターの風船が売っている ジェットコースター的な乗り物

そして最後に、とてもびっくりなのが町の真ん中にアトラクションができてしまいます。どれも小さい子供向けのものですが、なかなか本格的で、ジェットコースターのようなものや空中ブランコまであります。どれもディズニーキャラクターやピカチュウなどいろいろなキャラクターがまざった外装で、なんとも怪しく、しかも数日で町に突如現れたアトラクションに、日本人的には安全性は大丈夫なのかと心配してしまいますが、フランスの子供がとても楽しそうなので心配しない事にします。

 

 

 

さて、クリスマスの間に良く見かけるのが、ジオラマ、ミニチュアの町。その町には必ず人形がいます。ステイ先のお家にも小さいものがあり、メイン通りにあるクリスマス市の中にも一カ所、ガラス張りケースにかなり大規模に飾ってあり、リュベロン地方の教会では壁一面に飾ってあるのをみました。この人形、南仏発祥のサントン人形というものです。今ではフランスクリスマスの風物詩で、クレッシュ・プロヴァンサル(プロヴァンス地方のクレッシュ)とも呼ばれています。サイズは家庭用が5cmほど。基本形は馬小屋に、ヨゼフ、マリアと家畜。そこに25日の0時に赤ちゃんのキリストを置きます。そして1月6日に東方の三博士を置きます。さらに毎年、村人、村人の家、パン屋さん、風車、など少しずつ買い加えて町にしていきます。このサントン人形、シルバニアやドールハウスなどの類いで、とても精巧な作りで女心をくすぐります。実際フランスでもとても人気でマニアがいるほど。そのため南仏にはこのサントン人形が売っているお店がいっぱいあります。南仏で一番大きい町、マルセイユではフランス全土から人が訪れるような大きなサントン市が毎年開かれます。

 

 

imageリュベロン地方の教会に飾ってあった少し大きなサントン人形。たたみ四畳ほどに小さな町が。庭に干してある洗濯物は風をあてて揺らすなど、本物の町みたい。

 

 

 

 

 

 

 

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エクサンプロヴァンスのメイン通りにあるショーウィンドウの中のサントン人形。

 

 

 

 

 

 

imageリュベロン地方にあったサントン人形のお店。

 

 

 

 

 

 

 

 

フランスではクリスマスはとても大きなイベントです。日本のお正月みたいに親戚が集まる場所でもあります。とても大事な日なのです。そこでは必ず一年の感謝の気持ちを込めてプレゼント交換が行われます。全員が全員にぞれぞれのプレゼントを買うのです。これは職場や友達同士でも同じように行われます。なので、クリスマス一ヶ月前くらいから町にはプレゼントを買うたくさんの人たちであふれます。小さな町にこんなに人がいたのかと思うほどでした。クリスマス二週間前くらいはレジには長蛇の列。この経済効果たるや、という感じですが、私もその雰囲気にのまれ大切な友達や家族、アルバイト先に送ったりしました。相手の事を考えながらプレゼントを買うのはとても楽しいことですよね。この文化が日本にも広まればいいのにと想います。日本では子供にだけお年玉がありますね。さらにクリスマスカードもたくさんの人に送ります。クリスマスカードには「ハッピーニューイヤー」と同時に書かれているものがたくさんあって、日本の年賀状のような役割です。せっかくフランスにいるので私もたくさんの人に送ったのですが、それがことごとくクリスマス後につくという事態で、いつもは一週間で届くのですが、手紙もクリスマス中は混雑するみたいです。
 
 さてクリスマス本番。親戚同士が集まるのは24日の夜です。日本とは反対で24日を家族で過ごし、25日をそれぞれ過ごします。18時くらいに始まり夜遅くまで食べたり飲んだりおしゃべりしたりプレゼントを交換したりして過ごします。料理はフォアグラから始まり、サーモンや七面鳥など、そしてデザート。普段あまり食べないフランス人もこの日はたくさん食べます。
 私のステイ先ではデザートはケーキだったのですが、南仏では13種類のデザートを食べるという伝統があります。この13種類のデザートは、乾燥フルーツ、新鮮なフルーツ、ナッツ類、お菓子など、その土地の特産物。エクサンプロヴァンスではみかん、ぶどう、りんごやカリッソンというアーモンドのエクサンプロヴァンス名産のお菓子など。地方により13種類は変わります。この数はキリストと使徒12人でとった最後の晩餐に由来し、豊かな食卓に感謝をこめて、ワインとともに食事の最初からテーブルに並びます。

 

 

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ステイ先でのプレゼント交換の写真。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

image 最後に、クリスマスイベントは日本とは違いお正月まで続きます。クリスマスイベントの最後が「ガレットデロワ」です。キリスト誕生を祝いに東方から来た3人の博士が、贈り物とともにベツレヘムに着いた日を祝うもので、クリスマスから12日後の1月6日にあたり「エピファニー(公現節)」と呼ばれている日に「ガレットデロワ」と呼ばれるケーキを家族や仲間で一緒に食べるイベントです。「ガレットデロワ」定番は丸いパイ生地にアーモンドクリームが入った焼き菓子です。でも、南仏ではパイではなく、ドライフルーツ入りのブリオッシュタイプでした。このイベント、ただケーキをみんなで食べるのではありません。ケーキには必ず紙製の王冠がついていて、ケーキの中にはフェーブというそら豆もしくは人形が入っています。ケーキを順番に切っていって食べた時にフェーブが入っていれば王様もしくは王女様。一年幸福が続くらしいのです。南仏のケーキ屋さんのケーキには人形とそら豆、二つ入っていて、人形は5cmくらいで、切るときに割とすぐ分かってしまうので、そら豆が当たったら王様ということにお家ではなっていました。そして、私、そら豆当たりました。今年一年幸福が続くというのでとても嬉しいです。仲間内などで行うときは王様もしくは王女様がキスしたい人を指名してキスできるというルールもあったりして、盛り上がるみたいです。最近日本でも流行ってきてるみたいですね。

 

 

 

 

 

 さてさてこれで長かったフランスのクリスマスは終わりです。お家にあるツリーも片づけられてしまいした。少し寂しいけど存分に楽しみました。実はアルバイト先に送ったクリスマスプレゼント、まだ届いてないみたいなので無事に届きますように。(クリスマスカード、プレゼントはお早めに。)

 

 

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