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第7期奨学生の留学体験レポート

 

第7期奨学生-池野様

 

私はアンジェ大学付属IMIS-ESTHUAのLicence Professionnelle Metiers Arts Culinaires et de la Tableへの留学を予定しています。
実は私は元々フランスに興味があったわけではなく、大学でたまたまフランス文学を専攻したのがフランス語を勉強することになったきっかけです。ただ、昔から留学したいという想いが強かったので、大学在学中に交換留学生としてフランスに語学留学しました。当時の留学先はブザンソン。聞いたこともない田舎町です。東京の生活とはまるで違い、仲間で集まるといえば週末のホームパーティー。様々な国からの留学生同士、みんなで料理を持ち寄り、それぞれの家を行き来しながら、パーティーばかりしていました。お互いフランス語はめちゃくちゃだけれど、美味しいごはん(とワイン)さえあれば大満足。「日本人の女の子は他のどの国の女の子より飲むね」なんて言われながら、みんなでよく飲み、よく食べ・・・でもそんな時間に何より心が満たされていたような気がします。

 
ただその留学時代、一番痛感したことは、自分が「日本人である」ということでした。日本人である私に、外国の人たちは多くの質問を投げかけてきます。「日本ではどうなの?」と聞かれると、考えたこともないような質問が多いので、「う~ん・・・」とだんまり。でもこれは私だけではなかったように思います。日本人って、他の国の人より自国の文化や歴史、国民性を知らないように思います。

  
帰国後は、まず「日本を知ろう!」と思い、日本企業に就職しました。東京ほど大きい都市は、世界にそうはないですし、ビジネスの仕方だって独特。東京で働くという経験はとても大切だと思えたからです。事実、本当に多くのことを学びました。
ただ、実際に働くうちに、自分の人生観、価値観や仕事観がどんどん変わっていきました。私にとって仕事とは、「誰かを幸せにすること」。もし自分が幸せになりたければ、多くの苦労や労力を他人のために惜しまないこと。結局、「何を通して人を幸せにしたいのか」、「何のためなら惜しみない労力を注げるか」ということが大切だと思うようになりました。私にとってはそれが「食空間」です。きっと、以前の語学留学での経験が大きく影響しているのだと思いますが、やはり食べることは生きることと同じですし、多くの人の交流の輪の中にはいつも料理が並んでいると思います。


フランスという食文化の宝庫であり、「食べるために生きる」ようなシンプルな生活を送っているフランス人だからこそ、私は日本にはない何かをつかめる気がしています。IMIS-ESTHUAという学校については、Campus FranceのHPで知りました。なかなか情報が少ない学校なので、実際どのようなことを学べるのかまだ分かりませんが、語学留学時代とは違う、フランス人の中に入り込むような経験をしようと思っています。
そして少しでもつかんだ何かを、ここでみなさんにお伝えできればと思います。。

池野侑里