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第17期奨学生の留学体験レポート

 

ブルゴーニュ留学 渡辺千尋 様

 

クラスの人々
ディジョンの中心地
ぶどう畑
ボーヌのホスピス

私は今回、ブルゴーニュ大学附属の語学学校に3週間留学しました。フランスには何度か訪れたことはあったのですが、まだ自分が行ったことのない都市に滞在してみたいという思いと、かつてはブルゴーニュ公国の首都として栄え、中世の面影を残すブルゴーニュ地方に大変興味があったため、ブルゴーニュ大学を選択しました。

 

 ブルゴーニュ大学の所在地であるディジョンへは、パリ・リヨン駅から特急に乗って1時間半ほどです。人口15万人ほどのこの街ですが、とてもこじんまりとしていながらも観光客が多く活気があり、街の中心地には多くのお店やレストランが並びます。


ディジョンの街での主な移動手段はバス、あるいは2012年に開通したばかりだというトラム(路面電車)です。ディジョン駅前から私が滞在した国際学生寮まではトラムで15分ほど、国際学生寮から大学まではトラムを使えば5分程度で到着します。授業が午前までの日は、トラムに乗ってすぐに街の中心まで行けるのでよく友達と食事をしたり街を散歩しに行ったりしました。トラムの定期券を購入する際には、現地コーディネーターの方が同行して下さり、大変安心でした。

 大学での授業についてですが、クラス分けテストに基づき1クラス15~20人程度で学びます。大学の夏期休業中ということもあり、クラスの半分程度が日本人で、あとは台湾、韓国、ロシア、トルコからの学生がいました。


授業内容は文法や発音はもちろんですが、文章作成など書き取りの時間も非常に多くあり、自分がこれまで分かっていたつもりでも理解できていなかった点などを再確認する良い機会になりました。授業の進度は少し早い印象でしたので、理解できない部分は恥ずかしがらずに先生に質問することが本当に大切だと思います。分からない部分を分からないまま放置せず、「理解できた」「まだ理解できない」ということをきちんと言葉や態度で示さなければ、先生に「やる気のない学生だ」と思われても仕方ありません。せっかくフランスで本物のフランス語に触れる機会を得るのだから、積極的な姿勢で授業に取り組むことが大切だと思います。


午前の授業後、午後も授業がある日は、大学の食堂で昼食をとることが多かったです。食堂のスタッフの方々は気さくでしたし、学生証を提示すれば3.15ユーロでお腹いっぱい食べられたのが良かったです。

 

 次に、私が滞在した国際学生寮は、近年改装されたらしく、部屋は清潔でした。シャワーとトイレは各部屋にありますが、キッチンは共同利用です。夏期休業中は寮の食堂も休業しているので、キッチンで自炊をしている光景をよく見かけました。また、ネット環境については、有線LANのみ使用可能ですので、インターネットを寮でも利用したい方はノートパソコンが必須です。ただ、Wi-Fiルーターは寮内では使えないのですが、スマートフォンなどでネット接続をするには大学内の学生会館のWi-Fiを利用することができます。あと部屋にいると、他の部屋の生活音や人の話し声などはそれなりに聞こえてくるので、人によっては多少気になるかもしれません。


仲良くなった日本人の友人はホームステイをしていました。独居のマダムや子どものいるファミリー、受け入れている学生も一人だったり多数だったりと形態は様々ですが、どの場合にしてもホストファミリーは非常に親切で、生活面で不満はないようでした。語学学校に通っているだけでは、多国籍の友人を作ることはできても「フランス人」と話す機会はほとんどなかったので、学校から帰ったあとも会話力を鍛えたい方はホームステイの方が機会は増えるかと思います。一度、友人に誘ってもらい、彼女のステイ先で料理をごちそうになったのですが、本当においしかったです!

 放課後は、ディジョンの街の観光はもちろんですが、美術館に行ったり、ブドウ畑とワイナリーを見学するツアーに参加したり、野外コンサートを観に行ったりと、暇になることはなかったです。レストランでの食事やワインもまったくハズレがなく、ついつい食べ過ぎてしまったりしました。


私は3週間の滞在で2回の週末休みがあったので、ディジョンから近郊の街に出かけることもできました。まず、ディジョンから特急を使って2時間半ほどで行けるリヨンに出かけました。世界遺産にも登録されているリヨンの旧市街はディジョンの街並とはまた違った魅力があり、ぶらぶらと散歩をするだけでも楽しかったです。
また、2度目の週末は大学のエクスカーションを利用して、ディジョン近郊のボーヌに行きました。ボーヌのホスピスは本当に美しく、内部で展示されているロヒール・ファン・デル・ウェイデンの祭壇画《最後の審判》もこの場を訪れないとまずお目にかかれない作品なので、本当に感動しました。
他にもディジョンからはパリはもちろんニースやストラスブール、スイスのローザンヌなどへもアクセスしやすいので、ぜひ週末の小旅行も楽しんで頂きたいです。

 

 最後に、今回の短期留学を振り返ると、フランス語に関してはまだまだ身についていない部分が多くあることを痛感させられました。次にフランスに行くときにはもっと自分の思い通りにフランス語を扱えるように、今後も上達させていきたいです。また、先生方やクラスメイトの優しさに救われ、ディジョンの街の居心地の良さに感動しっぱなしの3週間でした。私は以前にパリの語学学校に短期留学をした経験があるのですが、その際パリ郊外で強盗被害に遭い、フランスの治安に対して非常に不安を持っていました(日仏文化協会を通じての留学ではありません)。その点ディジョンは、もちろん最低限の注意を払う必要はありますが、パリで時々感じるような不穏な雰囲気はほとんどなく、本当に美しい街でした。ディジョンは私にとって、また訪れたい街のひとつになりました。
今後の抱負と致しましては、フランス語力の向上のために日々勉強を怠らないことがまず一番です。現在私はフランス美術史について勉強しているので、多くのフランス語文献を読みこなせるようになって、フランス美術への理解をさらに深めることを目標にしていきたいと思います。
今回、このような貴重な機会を与えてくださったことに深く感謝致します。ありがとうございました。