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第12期奨学生の留学体験レポート

 

~こんなに世界は広かったんだ!~ 山路悠加様

 

 

留学によって、そのことを再認識させられました。私は高校時代にオーストラリアへ一年間留学していた経験があったのですが、当時学んだはずだったのに今ではすっかり忘れ去っていたことを思い出すことができました。最近の私は安定な道へ、無難な道へと進んでしまいがちだったのですが、挑戦することへの楽しさ、目標を達成した後に感じる、自分の視野の狭さに気付かされた瞬間の興味深さを思い出したのです。


私は先生宅にホームステイし、プライベートレッスンを受けました。3週間はミリアム先生宅でホームステイし、1週間はミリアム先生の友人のエヴリン先生宅で過ごしました。語学学校に毎日通って、友達もできて……と交友関係が広がるようなライフスタイルではなかったのですが、充実した日々を送ることができました。

 

2年間大学でフランス語の勉強をしていたものの、そこまでフランス語に触れ合える機会はなかったため、私のフランス語力はあまり高くありませんでした。初日は先生の言われていることがほとんど理解できず、自信を持って言える言葉といえば、「Qui」や「Non」くらいでした。しかし、頑張って話しかけて来て下さるため、日本へ帰る頃には日常会話レベルであったら受け答えができるようになっていました。授業時間以外でも分からないこと、フランスにおいて私が知らないことを親身になって教えて下さり、とても勉強になりました。語学学校へ行って、外国人の生徒たちと一緒にフランス語のレッスンを受けるより、多少高額ではありますが、教師宅のプライベートレッスンの方が私に向いていたと思います。値段分の価値は十分にある滞在だったと心から思います。ミリアム先生に小学校の教師の友人がいらっしゃり、現地の小学生たちと触れ合う機会がありました。生徒たちの日本に関する質問に、先生の手を借りながら片言のフランス語で答えました。小学校へ着く前はかなり緊張しましたが、自分の自信向上につながりました。


image2エヴリン先生宅には私と同年代の娘さんがいらっしゃり、学校の生徒たちが企画した仮装パーティーにも連れていってもらえました。この時も上手く生徒たちとコミュニケーションが取れるのかと緊張しましたが、すごく楽しむことができました。
今回の滞在は、一か月という短い期間でしたが、私にプラスの影響を与えました。日本の女性は若いうちは自分が主人公でも、結婚を通して自分の物語の主人公が自分から夫へ、夫から子供へ、と移り変わっていくように感じます。しかし私がフランスで出会った女性の多くは、自分の物語なのだからと主人公であり続けるような方達ばかりでした。私は楽しいのは30歳までで、それからはあまり望めないのではないか、と心のどこかで考えていたのですが、年を取るごとにまた違った楽しさがあるのだということを学びました。だから、「もう若くはないのだから」と楽しみを探す権利を何歳になっても放棄すべきではないと強く思いました。


バイヨンヌの人たちは親切な方ばかりで、心穏やかに毎日を過ごすことができました。このフランス留学は一生、私の宝物の一つであることは間違いありません。